こんな方におすすめ
- 税理士資格の科目って何がある?
- 税理士資格の科目の特徴は?
- 取得すべき税理士資格の科目は?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「取得すべき税理士資格の科目とは?」をご参考にすれば、みなさんのこれからの税理士資格取得に向けた判断に役立ちますよ。
税理士資格を取得しようかな?と考えても、どの科目を勉強すべきか判断に迷いますよね。
プライム企業の経理4年目、税理士試験に合格した現役経理マンが紹介します。
記事前半では「そもそも税理士資格の科目とは?」について、
後半では「税理士資格の科目の特徴」について解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
そもそも税理士資格の科目とは?
そもそも税理士資格の科目って何があるの?
税理士資格に興味を持った方で、
『そもそもどんな科目があるの?』と疑問に思うかたも多いですよね。
結果からいうと、税理士資格に関する科目数は、全部で11科目。
その中から、みなさんは5科目に個合格すればいいわけです。
もう少し具体的に解説すると、
そもそも11科目のうち、「会計科目」と「税法科目」に分かれます。
「会計科目」が2科目、「税法科目」が9科目です。
まずは、会計科目。
会計科目の2科目は絶対合格しなきゃいけない必須科目って呼ばれます。
つまり、税理士科目を取るためには、必ず合格する必要があるってこと。
次に税法科目。
税法科目にも縛りがあって、法人税法か所得税法のどちらか1科目に合格しなければなりません。
残りの2科目は、みなさんが選びたい科目を選べますよ。
整理するとパターンとしては、
- 会計科目2科目+法人税法+好きな2科目
- 会計科目2科目+所得税法+好きな2科目
に分けることが可能。
ちなみに、大学院の免除制度を利用すれば、税理士試験に3科目合格するだけで、残りの2科目の免除を受けることも可能です。
そんなわけで、大学院の費用を払って確実に2科目分を取得するもの戦略の1つですね。
税理士資格の科目の特徴は?
どんな科目があるかは、分かったけど、その特徴を知りたい!
勉強を初める前に、実際にどんな特徴があるのかって気になりますよね。
ざっくりいうと、以下の分類で科目を分けることができるかと。
- 会計科目
- 国税科目
- 地方税科目
それでは具体的に解説していきますね。
【税理士資格の科目の特徴①】会計科目
まず1つの目は、会計科目の特徴から。
結論からいうと、以下の2科目があります。
- 簿記論
- 財務諸表論
の2つです。
会計科目とういうこともあって、会計の基礎から応用までが問われる試験。
この試験に合格できれば、1人で決算書まで作成することができますよ。
具体的には、
- 貸借対照表
- 損益計算書
など。
とくに、財務諸表論では、計算の他に「理論」を勉強する必要があります。
理論は、計算の根拠になる「法律の条文」のようなものと覚えておくのがいいかと。
ちなみに官報合格するためには、この2科目には必ず合格する必要がありますよ。
メモ
官報合格とは、税理士試験の5科目全てに合格すること。
要するに、試験免除なしで、合格することです。
【税理士資格の科目の特徴②】国税科目
2つ目は、国税科目。
そもそも税法には、国税と地方税分かれていますよ。
具体的に国税科目は、
- 法人税法
- 所得税法
- 相続税
- 消費税法
- 酒税
- 国税徴収法
の6つがあります。
中でも、法人税法と所得税法は内容のボリュームが多く、難関税理士試験の中でも超難関科目になっています。
取り急ぎ
- 法人税法は、会社にまつわる税金の法律
- 所得税法は、個人にまつわる税金の法律
と覚えておきましょう。
官報合格するには、法人税か所得税のどちらかに合格する必要がありますよ。
【税理士資格の科目の特徴③】地方税科目
最後に、地方税の科目について。
そもそも地方税とは、各県や、市区町村に関する税法。
具体的には、以下の3つです。
- 事業税
- 住民税
- 固定資産税
どの科目も国税に比べると勉強するボリュームはそんなに多くないのが特徴。
その分、みんな高得点を取るので、マニアックな論点もサボらずに覚えることが大切かと。
取得すべき税理士資格の科目は?
でも、実際にどんな科目を取るべきか?おすすめは?
実際にどんな税理士資格の科目を選択すべきか、迷いますよね。
私もかなり迷いました。。
結論からいうと、今後やりたいことに合わせて税理士資格の科目を選ぶことがおススメ。
なぜなら、どの税理士資格の科目を取得するかによって、今後の選択肢が変わってきます。
具体的には、
- 「私は、独立志向がないから、会社の中で自分のスキルを活かしたい」
- 「私は、個人事業主や富裕層に向けの税理士としてすぐに独立したい!」
など、税理士を目指す理由は人それぞれ。
当然どんなキャリアを目指すかによって、勉強する税理士科目も変わってくるわけです。
もちろん、勉強を初める前から、具体的なビジョンを作るのは難しい人も多いかと。
とはいえ、ざっくりとどうなりたいかを考えて、一旦方針を立てるのがおすすめ。
筆者が考えるキャリアパターン別に取得におすすめな科目を解説したいと思います。
結論からいうと、以下の3つです。
- 安定志向型のリーマン税理士
- 独立志向型の起業家型税理士
- 合理的志向のスマート税理士
それでは、1つずつ内容を確認していきます。
【キャリア別・税理士資格の科目】安定志向型のリーマン税理士
税理士資格の科目勉強をする方は、
『独立して、自由を手に入れたい!』
といった野望を持っている人もいる一方、
『景気に左右されない、安定した資格が欲しい!』
と思うかたもかなり多いのではないでしょうか。
少なくとも私はそうでした。
大学時代に、自身がなかった私は、就活で内定を得るイメージがつかめず、資格をとって安心を得たいと思いました。
そんな方にとっては、独立してリスクを取るよりは、サラリーマンとして会社の中で安定して働きたいのが本音かと。
結論からいうと、
そんな方にオススメな税理士資格の科目は、「法人税法」・「消費税法」・「事業税」です。
なぜなら、これらの科目は、大企業になればなるほど重要性が増します。
法人税法が大切な理由
まずは、法人税法を選んだ理由から。
昨今では、業績が安定している大企業ほど、連結納税や、国際税務の論点が大切になってきます。
なぜなら、論点が難しく、インパクトが大きい論点だから。
こういった論点に対応するためには、法人税法で基礎固めをしておくのがマストです。
なので、法人税法の資格を持っておけば、これらの業務に携われる知識は持ってるいると認識され、高評価を貰えます!
もちろん、事業会社のみならず、大手税理士事務所からも評価されます。
消費税法が大切な理由
次は、消費税。
消費税も大企業にとってなくては、重要な論点。
計算方法を間違えるとキャッシュに直接影響があるので、きちんと知識がある人が計算する必要があります。
また、最近では、国をまたぐサービスや、税率の改正など、大きな改正が頻繁にあるのも特徴。
したがって、消費税法を持っていれば、法人税法同様、評価される対象になりますよ。
事業税が大切な理由
最後に、事業税。
事業税ってあんまりピント来ないかもしれません。
しかし、大企業にとっては、事業税も大きな影響を受けます。
その理由は、『外形標準課税』。
これは、資本金が一定金額以上の会社に発生する特有の論点。
『外形標準課税』に該当するとら一気に税負担が重くなるので、わざわざ、資本金を減らす会社もあるほど。
なので、会社に影響がある外形標準課税の論点を知っていれば、評価されるのは間違いないかと。
というわけで、上記の税法科目はどれも大企業にとって大切な論点。
ちなみに、筆者もこの3科目を取って、新卒で最大手の税理士法人から内定を貰いました。
当時の同期も、この3科目を持っている人が評価されていましたので、間違いないかと。
したがって、サラリーマンとして税理士を活かしたい人には、おすすめてすよ。
【キャリア別・税理士資格の科目】独立志向型の起業家税理士
次に解説するのは、独立志向型の起業家税理士。
もちろん、独立するにもいろんなパターンがあると思います。
とはいえ、独立を目指す税理士にとって、個人事業主や富裕層をクライアント対象にする方がほとんどかと。
そんな方にとって、おススメな税理士科目は、「所得税法」・「相続税法」・「法人税法」です。
それでは、理由を解説しますね。
所得税法が大切な理由
まずは、所得税法。
個人事業主や、富裕層をメインクライアントにするのであれば、1番影響のある税法ですね。
とくに、個人事業主や富裕層にとって、所得税は生活に直結するお金の問題。
日本は「累進課税制度」といって、お金を持っている人程、税金を払う仕組みになっています。
当然、クライアントにとってはできれば、税金で支払うお金を少なくしたいところ。
したがって、いかに節税するか?がみなさんの腕の見せどころになりますよ。
相続税法が大切な理由
次は、相続税法。
こちらは、年々重要度が高まってきている税法。
なぜなら、日本は超少子高齢化の時代。
相続税の特徴は、人の死が起点となって、発生する税法であることです。
しかも、資産を相続した人が税金を払う必要があって、相続人の大多数は、子供や孫なんです。
当然、親はできるだけ、子供や孫に税金の負担をかけたくないですよね。
したがって、相続に関する相談はこれから必然的に増えていくことが確実。
なので、相続税に関する知識を持っていれば、クライアントを獲得する可能性も高くなっていきます。
法人税法が大切な理由
最後は、法人税法。
いくら個人向けのサービスを目指すといっても、税理士である以上、法人税法は身につけておきたいところ。
中小企業を相手にしたサービスも展開できますから。
【キャリア別・税理士資格の科目】合理的志向のスマート税理士
最後は、合理的志向の人について。
税理士資格を獲得するには、5個の科目に合格する必要があることは、上記で解説しました。
とはいえ、5個の科目に合格するのに10年以上を費やす人も珍しくありません。
とくに、働きながら勉強している人にとっては、プライベートを犠牲にする覚悟も必要。
つまり、官報合格って、相当辛いわけです。
僕もメンタルをすり減りました。
ただし、大学院を卒業すれば、3科目合格するだけでOKで、
残りの2科目を免除できるシステムがあります。
通称『院免』。
要するに、大学院の学費を支払えれば、2科目合格したと同じなわけです。
もちろん、大学院にはきちんと通って修了する必要があります。
とはいえ、合格率の超低い試験に10年も人生を掛けるのは、合理的でないですよね。
したがって、費用対効果を合理的に考える人にとっては、大学院に通って2科目免除を受けるのがおすすめ。
まとめ
以上、税理士資格の科目について解説しました。
整理すると、
税理士科目は全部で11科目あって、そのうちの5科目に合格する必要があります。
ただし、大学院の免除システムを利用すれば、3科目合格でOK。
どの科目に合格するか迷った場合は、上記で紹介したキャリア別のおススメ科目を
参考にしてみて下さい。
みなさんのご参考になれば幸いです。