こんな方におすすめ
- 上場企業の経理の実態を知りたい!
- 上場企業の経理の特徴はなに?
- 上場企業の経理だと転職しやすい?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「上場企業の経理の特徴」をご参考にすれば、経理への転職に役立ちますよ!
なぜなら、上場企業の具体的な業務を理解しておくことで、上場企業への転職活動も有利になりますよ。
上場企業・経理歴3年、税理士試験に合格した現役経理マンが紹介します。
記事前半では「上場企業の経理の特徴」について、
後半では「上場企業の経理は転職に有利か?」について解説するので、
ぜひ参考にしてくださいね!
そもそも上場企業とはなにか?
上場企業ってそもそもなんだっけ?
まずは、上場企業とは?を確認しておきましょう。
結論からいうと、株式市場で株の売買をできる会社のことです。
なぜなら、上場企業であれば、株式市場で一般の人が株の売買をすることができますが、
非上場企業だと、自由に株の売買ができません。
具体的にいうと、
東証一部、東証二部、マザーズ、ジャスダック
の株式市場で株の売買をできる企業のことを上場企業といいますよ。
上場企業の方が非上場企業よりも優れているの?
結論、上場企業だから優れている、非上場企業だから劣っていることはありません。
なぜなら、非上場企業でも名の知れた会社はいくつもあります。
例えば、
- サントリー
- 竹中工務店
- YKK
など。
要は、非上場は非上場のメリットがあるわけで、上場するかしないかは会社の戦略上の話しなわけですね。
とはいえ、上場企業はみんなが安心して株式の売買をするために、様々な基準をクリアする必要があるので、
社会的な信用はあるかと。
上場企業の経理の特徴とは?
上場企業の経理の特徴を知りたい!
上場企業が未経験の人にとっては、上場企業の経理がどんなことをしているのか気になりますよね。
結論からいうと、非上場の企業も上場企業もやってることはそんなに変わりません。
ただし、以下の3つの点は上場企業の特徴です。
- 開示業務がある(決算短信、有価証券報告書)
- 監査法人対応がある
- IFRS対応がある
それでは、具体的に解説しますね。
【上場企業の経理の特徴①】開示業務がある(決算短信、有価証券報告書)
まず初めの、上場企業の経理の特徴の1つ目は、開示業務があるです。
そもそも開示業務ってなに?
結論からいうと、開示業務とは株主に対して会社の業績を公表することです。
なぜなら、上場企業の場合は、いろんな人が株の売買をできるため、みんなが知れるように発表する義務があります。
よく、ニュースなどで『決算発表』などのワードを聞いたことがあると思います。
具体的にいうと、年に4回
- 決算短信
- 有価証券報告書
を作成しますよ。
この開示業務があることが、上場企業と非上場企業の経理業務の大きな違いになります。
つまり、上場企業に勤めていれば、開示のスキルを身につけることも可能なわけです。
【上場企業の経理の特徴②】監査法人対応がある
2つ目の、上場企業の経理の特徴は、監査法人対応があるです。
監査対応ってなにって思いますよね?
結論からいうと、開示するために監査法人からチェックを受けることです。
なぜなら、会社が作った数字をそのまま発表しても、
- ルールを無視して利益を多くしている
- 間違った数値で業績を発表している
など、外部のチェックがないと、株主も安心して株を買ったりすることができませんよね。
したがって、会社が発表する決算情報が信用できるか?監査法人からお墨付きをもらう必要があります。
なので、決算中は、会社が作った数字に対していろんな角度から質問を受けます。
つまり、監査対応とは、
- 監査法人からの質問に答える
- 監査法人へ資料を提出する
と覚えておくのが、いいかと。
監査法人の対応は、だいたい毎回同じやり取りをするので、数年経験すれば、
監査法人対応のスキルを身につけることもできますよ。
ちなみに、監査法人とは、公認会計士という会計のプロがいっぱいる会社のことです。
【上場企業の経理の特徴③】IFRS対応がある
3つ目の、上場企業の経理の特徴は、IFRS対応があるです。
IFRS.....?
結論、IFRSとは、世界の会計基準と覚えておきましょう。
なぜなら、国によって会計基準もいろいろあります。国によって法律が違うのと一緒の感覚です。
具体的にいうと
- 日本の会計基準
- 米国会計基準(アメリカ)
- IFRS(世界)
上記の3つがメジャーな会計基準になります。
でもどうして、日本の会社がIFRSの対応をするの?
と思いますよね。
結論からいうと、グローバル化に向けた対応です。
なぜなら、大企業であればあるほど、世界中で事業を行っています。
したがって、日本人の株主だけでなく、世界中の株主に自分の株を買ってほしいと思いますよね。
そんなときに、海外の投資家は、世界の会計基準を適用している会社に興味が湧くのが当然かと。
なので、海外の投資家に株を買ってもらうためにも、IFRSを導入することは価値があることです。
じゃあ、具体的にIFRS対応ってなに?
結論からいうと、日本の会計基準からIFRSの会計基準に変更することです。
具体的にいうと、
- 開示上での財務諸表の表現の仕方が変わる
- そもそもの会計処理が変わる
など。当然、会計基準が変われば、会社に与えるインパクトも大きくなります。
そのため、IFRS対応をしたことがあれば、これからIFRSを導入したい企業にとって魅力的な人材になることができます。
IFRSについてもっと具体的に知りたい方は、以下のサイトがおススメですよ。
2010年3月期の決算より、日本でも上場企業の連結財務諸表におけるIFRSの任意適用が認められ、IFRS強制適用の検討が開始されました。
しかし2011年に東日本大震災が発生し、企業は国内対応に重点をおかざるを得ない状況となり、IFRS強制適用は事実上見送りとなります。その後、日本では、「連単分離を前提とした任意適用企業の積み上げ」に舵が切られました。引用先 : IFRS対応の変遷と課題(Abitus)
上場企業の経理は転職しやすいのか?
上場企業の経理の特徴はなんとなくわかったけど、
上場企業の経理は転職しやすいのか?
結論からいうと、上場企業の経理は転職しやすいです。
そもそも経理というのは、どの会社にいってもやることは同じなので、転職しやすい職種です。
加えて、上場企業の経理を経験していれば、他の上場企業や非上場企業にも転職することができるので
転職をする際の幅が広がりますよ。
具体的には、上場企業で3年ぐらい実務を積めば、
- ベンチャー企業の経理への挑戦が可能
- 大手企業へのキャリアアップが可能
- コンサルや会計事務所への転職が可能
などなど。
いろんなキャリアの選択肢がありますよ。
まとめ
以上、上場企業の経理について、特徴をご紹介しました。
繰り返しになりますが、
上場企業とは、株式市場で株の売買をできる会社のことです。
また、上場企業だから『優秀』ということはなく、非上場企業にも
名の知れた会社もたくさんあります。
つまり、上場するか、しないかは、あくまで会社の戦略上の判断になりますよ。
そして、上場企業の経理ならではの仕事は以下の3つでした。
- 開示業務がある(決算短信、有価証券報告書)
- 監査法人対応がある
- IFRS対応がある
最後に、上場企業の経理は転職しやすいのか?について、
結論は、転職しやすいです。
なぜなら、経理はそもそも転職しやすい職種で、
上場企業で働いていれば、他の上場企業や非上場企業にも転職しやすいですよ。
以上、みなさんの転職活動の参考になれば幸いです。