こんな方におすすめ
- そもそも決算ってなに?
- 決算時期ってどうやって決めるの?
- 年度決算のときは経理は大変?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「年度決算の経理は大変?」をご参考にすれば、転職活動に役立ちますよ!
なぜなら、年度決算は経理にとって一番の繁忙期。
経理に転職する前に、ここの辛さを理解しておけば、実際の繁忙期の際に心が折れなくて済みますよ!
上場企業・経理歴3年、税理士試験に合格した現役経理マンが紹介します。
記事前半では「そもそも決算ってなに?」について、
後半では「年度決算の経理は大変?」について解説するので、
ぜひ参考にしてくださいね!
そもそも決算ってなに?
そもそも決算ってなに?
そもそも決算って何?と思われる方も多いかと。
結論からいうと、決算とは、会社の業績をまとめることをいいます。
なぜなら、会社は株主や取引先、金融機関などに自身の業績を報告する必要があります。
具体的にいうと
- 株主は、投資したお金がちゃんと成果をだしているか知りたい
- 取引先は、取引相手の業績が悪くて、自社に被害があるかないかを確認したい
- 金融機関は、貸したお金がきちんと返ってくるか確認したい
など、会社の業績は、いろんな人に影響を与えるわけですね。
もちろん、決算は、自社の経営陣が会社の業績を把握して、どう経営をしていくか?という目安になります。
したがって、決算は、人が動くために大切な情報になります。
決算時期はどうやって決まるの?
決算のことは理解できたけど、
決算時期はどうやって決まるの?
結論からいうと、決算時期を決めるのは会社の自由です。
なぜなら、会社(法人)の場合は、決算期を自由に決めることができるからです。
日本の企業だと3月を決算期にしている会社が多いですね。
決算期を自由に決めることができるとはいえ、会社の決算期は
- 会社の繁忙期を避ける
- 会社の資金繰りを考慮する
- グループ会社全体で、決算期を統一する
などのことを考えて、決める場合も多いかと。
それぞれ簡単に解説しますね。
【年度決算期の決め方①】会社の繁忙期を避ける
まずは、会社の繁忙期を避けるパターンについて解説しますね。
会社の決算期を決まるのは自由!となれば、当然会社の繁忙期にわざわざ決算を重ねる必要はありませんよね。
なぜなら、単純にやることが増えるからです。
とくに、人手が限られている中小企業の場合は、マンパワーをシビアに考えなくてはなりません。
したがって、繫忙期はやることが多すぎて、決算まで手が回らないという企業は、
会社の繫忙期を避けて、決算期を決めるケースもあるかと。
【年度決算期の決め方②】会社の資金繰りを考慮する
次に、会社の資金繰りを考慮するパターンです。
決算に資金繰りって関係あるの?
結論からいうと、決算は資金繰りに影響があります。
なぜなら、決算の2ヵ月後に税金の支払いを行わなければなりません。
具体的にいうと、法人税、消費税、事業税などの支払いをする必要があります。
とくに、会社の業績が良い場合は、税金計算のもとになる課税所得が増える傾向に
あるので、お金を支払う準備をしておく必要があります。
もし、決まった月に会社のお金が少なくなるようであれば、その月を避けた決算期
の設定を行う必要がありますよ。
【年度決算期の決め方③】グループ会社全体で、決算期を統一する
最後の決算期の決め方は、グループ会社全体で決算期を統一するです。
結論からいうと、このパターンは大規模な上場企業で多いです。
なぜなら、最近は、M&Aなどの組織再編によって、グループ会社が入れ替わることが多いからです。
もちろん、グループ会社で決算期が違くても、決算を締めることはできます。
とはいえ、グループ会社全体で決算期が統一されていた方が、企業の運営効率が上がるのは明らかですよね。
メモ
日本と違って、中国は法律上で、決算期が12月と決まっていますよ。
1|中国の会社
中国では、会計法において、民間の会社の事業年度にあたる会計年度について、「会計年度は1月から12月まで」と規定されており、会社が自由に設定することはできない。結果として、中国では、政府及び民間会社とも、全国的に、会計年度は、さらに課税年度を含めて、1月から12月までに統一されていることになる。
年度決算の経理は大変?
やっぱり年度決算の経理は大変?
結論からいうと、年度決算の経理は大変です。
なぜなら、やることがたくさんあるからです。これに尽きます。
具体的に言うと、
- 在庫と固定資産の棚卸
- 年度決算の監査法人対応
- 有価証券報告書の作成
- 株主総会
- 税務申告書の対応
などの対応が挙げられます。
税務申告書の対応まで含めると、4月から6月まで続きますので、忙しい期間が続きます。
とはいえ、2年目からはやることが同じで、動き方も分かってきます。
ただし、経理1年目だと、初めての業務も多く慣れない部分も多いです。
したがって、『1年目はきついけど、経験を積むにつれて楽になる』と前向きに考えて業務に取り組むのがおススメです。
年度決算を乗り越えるための具体的な方法はある?
おすすめしたいのは、以下の3点です。
- できることは前倒しする
- 日頃からPCの操作性を早くすることを意識する
- 作業につまづいた箇所は、原因をメモしておく
それでは具体的に解説しますね。
【年度決算に備える①】できることは前倒しする
まず、初めの年度決算を乗り越えるための方法は、できることは前倒しするです。
繰り返しになりますが、年度決算がきつい理由は、とくにやることが多いからです。
とはいえ、事前にやっておけばよい作業があることも事実。
具体的には、
- フォーマットをメンテナンスしておく
- エビデンス資料を集めておく
など。小さいことですが、細かいことをやっておくことで、忙しいときの負担を減らすことができますよ。
とくに、決算前の閑散期を利用して、小さい準備をコツコツやっておくことがおススメです。
【年度決算に備える②】日頃からPCの操作性を早くすることを意識する
次の年度決算に備える方法は、日ごろからPCの操作性を早くすることを意識するです。
なぜなら、経理にとって、パソコンの操作性=生産性と考えても不思議ではありません。
つまり、パソコンをいかに使いこなせるかによって、仕事ができるorできないが決まってくるわけです。
具体的には、
- エクセルで日頃使用する関数をマスターしておく
- PCのショートカットを覚える
など。こちらも、閑散期にどれだけコツコツやっておくかで、年度決算のときに差がでますよ。
エクセルの関数は難しいものもマスターしたほうがいいの?
結論からいうと、難しい関数は必要ありません。
なぜなら、経理のデータ集計には以下の関数で十分だからです。
- SUMIF関数
- VLOOKUP関数
もちろん、超膨大なデータを取り扱う人にとっては、この関数だけでは物足りないかもしれません。
とはいえ、これから初めて年度決算を向かえる人にとっては、この2つの関数で十分かと。
PCのショートカットはいつも覚えようとするけど、覚えられない!
結論からいうと、1日1個覚えることを意識しましょう。
なぜなら、1日に何個も覚えようとすると、結局どれを覚えてよいか混乱し、挫折してしまう原因になることも。
したがって、『今日はこれを覚える!』と決めて、コツコツ覚えていきましょう。
【年度決算に備える③】作業につまづいた箇所は、原因をメモしておく
最後の年度決算を乗り越える方法は、作業につまづいた箇所は、原因をメモしておくことです。
なぜなら、年度決算は、来年必ずやってきます。
したがって、『なぜつまづいたのか?』原因を理解しておかないと、また同じ箇所で時間を取られてしますわけです。
未来の自分のためにも、原因を把握しておくことは大切ですよ。
これも、閑散期に原因を見直して、決算期に備えるのがいいかと。
まとめ
以上、年度決算に関する内容を解説しました。
大切なことを繰り返しますと、
決算は、株主や取引先、金融機関などに自身の業績を報告するために必要な作業です。
会社であれば、決算期は自由に選べることができます。
とはいえ、会社の事情もそれぞれありますので、自分の会社に合った決算期を選ぶがおススメです。
また、年度決算時の経理は、忙しいです。
ただ、そんな忙しい時期も乗り越える方法として、以下があります。
- できることは前倒しする
- 日頃からPCの操作性を早くすることを意識する
- 作業につまづいた箇所は、原因をメモしておく
いずれにしても、閑散期の時間の使い方がポイントですよ。
みなさんの経理の実務・転職活動の参考になれば幸いです。