こんな方におすすめ
- 会計と経理は違うの?
- 財務と経理の違いを知りたい!
- 経理、財務は具体的にどんな業務を行うの?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「会計、経理、財務の違いとは?」をご参考にすれば、みなさんの転職活動や経理実務に役立ちますよ!
なぜなら、それぞれの意味の違いって、実務したことがないと分かりづらいもの。
プライム企業の経理4年目、税理士試験に合格した現役経理マンが紹介します。
記事前半では「経理の業務内容」について、
後半では「財務の業務内容」について解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
会計、経理、財務の違いとは?
未経験だけど、経理に転職したい!
と思っている人の中で、
会計、経理、財務って何が違うの?
と疑問に思う方がほとんどですよね。
正直、これらの言葉の使い方って曖昧で厳密なルールがあるわけではありません。
とはいえ、みんながどんなニュアンスで使っているかは知っておきたいところ。
ということで、まずは、会計、経理、財務の違いを解説しますね。
結論からいうと、
- 会計は、会社のお金や利益に関する全てのことをいいます。
- 経理は、会社の成績を作る部門のこと。
- 財務は、会社のお金の管理をする部門のこと。
と覚えておけば、問題ないです。
具体的に図で説明すると、こんな感じです。
なんとなくイメージしていただけるかと。
要するに、会計とは経理や財務を包括する概念です。
もう少し具体的にいうと、
会社は2つの目線で会社の成績を管理します。
それが「結果の数値」と「予想の数値」です。
ちなみに、実務では、
- 「結果の数値」のことを『実績』や『制度会計』
- 「予想の数値」のことを『見込み』や『管理会計』
といった名称で呼んだりします。
ポイント
整理すると、
- 会計は会社の業績やお金の管理全般のこと。
- 会社の業績管理は、経理がやります。
- 会社のお金の管理は、財務がやります。
経理の業務内容とは?
それでは次に経理について、詳しく解説していきます。
上記では、経理は「会社の成績をを作る部門のこと」と解説しました。
経理は、会社の成績をまとめる重要な役割なわけです。
会社の成績表は『決算書』といって、制度会計のルールを使って作ります。
一般的な会社の経理部だと、毎月会社の決算書を作成しています。
これをいわゆる「月次作業」といいます!
みなさんも聞いたことがありますよね。
ポイント
月次作業は、具体的に以下の作業があります。
- 債権債務の管理
- 経費精算
- 原価計算
- 減価償却費計算
- 預金管理
経理未経験者も最初は月次作業からスタートすることがほとんどです。
月次の作業が完了すると、経理はこの月次成績を経営陣に報告します。
経営陣は成績を確認して、
『「結果の数値」と「予想の数値」でどれくらい差があるか?』チェックします。
つまり、予想に対して結果はどうだっのか?を確認しています。
みなさんも、プライベートで
『今月はこの金額でやりくりする!』って決めたのに、
実際には、お金を使いすぎていることってありますよね。
私は、毎月ですが。。
会社も同じで、
最初に予想していた金額に対して、結果がどうなっているかを確認しています。
会社の場合は、もっとシビアで
- 予想に対して実績がどうなのか?
- なぜ、予想に対して実績が悪くなったのか?
と、数字の確認していく必要があります。
ちなみに、予想していた金額のことを「予算」といいます。
「予算」っていう言葉は、会社勤めの経験のある人なら、聞いたことがある言葉ですよね。
予想と結果の数値を管理することを『予実管理』といいます。
これも経理業務の一種ですね。
経理は、月次や予実管理以外にも、
- 監査法人対応
- 税務申告
- 株主総会の対応
などもやりますよ。
詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみて下さい。
-
現役経理マンが監査対応の実務について解説します!
-
経理と税務の違いは?税務実務を具体的に解説します。
ところで、主計部と経理部は何が違うの?
みなさん、会計、経理、財務の他に『主計』という言葉を聞いたことがあるかと。
いろいろ言葉が出てきて混乱しますよね。
結論からいうと、『主計』は経理と同じ意味と考えて問題ありません。
なぜなら、各部署の呼び名は会社の組織デザインで変わってくるからです。
詳しくは、以下の記事で解説していますので、ご参考にしてみて下さい。
-
主計部とは?経理と違うの?具体的な業務内容を解説します。
財務の業務内容とは?
会計の概要や経理の業務内容を確認していきました。
ここからは、財務の業務内容を解説しますね。
結論からいうと、財務の仕事は、『お金の管理』です。
『お金の管理』と一言にいってもやることは、いろいろあります。
具体的には、
- 資金の調達や貸し出し
- 為替リスクの管理
- 預金残高の照合
- 資金繰りの作成
などです。
ポイント
経理未経験者の場合は、
いきなり資金繰りや為替リスクの管理をすることはないので安心してください。
最初は、
- 預金残高の管理
- 送金、出金業務
などを行いますよ!
財務の業務と経理業務の1番の違いは、財務は『将来を予想して業務を行う』ことです。
なぜなら、
- 来月は資金がいくら必要だから、銀行から〇〇円借りる必要がある
- これから円高が進みそうだから、為替予約をしよう
など、将来に備えて業務を行うわけですね。
一方、経理は実績ベースで決算書を作成しますよね。
要するに、既にあるデータを加工して作業するわけです。
整理すると、『財務は未来の数値』、『経理は過去の数値』を取り扱っているわけです。
また、財務にとって最悪なことは、会社のお金を切らしてしまうこと。
『黒字倒産』、『資金ショート』って聞いたことがあるかと思います。
要するに、会社はいくら利益が出ていても、お金が無くなると倒産してしまいます。
例えて言うと、
いくらマッチョで頭脳明晰な人でも、その人から血を抜いてしまうと、機能しなくなりますよね。
つまり、お金は『会社の血』なわけです。
言い換えると、財務は会社を倒産させないためにも、めっちゃ大切な業務になります。
まとめ
以上、会計、経理、財務の違いと業務内容について解説しました。
繰り返しますと、
会計は会社の業績やお金に関すること全てをいいます。
その中でも、会社の成績を作成するのが経理。
一方、お金の管理をするのが財務でした。
『誰がどんな仕事をしているのか?』をイメージできるだけでも、
仕事の一連の流れを理解しやすくなりますよ。
みなさんの経理ライフや転職活動の参考になれば幸いです。