こんな方におすすめ
- 売上が関わる仕訳をマスターしたい!
- 売上と売上高って何が違うの?
- 売上値引と売上割引って違うの?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「売上とはそもそも何か」をご参考にすれば、これからの勉強に役立ちますよ!
なぜなら、簿記を勉強するうえで、言葉の定義をしっかり抑えることは超重要です。
簿記歴10年、税理士試験に合格した現役経理マンが紹介します。
記事前半では「売上とはなにか?」について、
後半では「簿記にでてくる売上の仕訳」解説するので、
ぜひ参考にしてくださいね!
【売上】とはそもそもなにか?
簿記を勉強では、売上が頻繁にでてきますよね。
まずは、売上の定義を確認しておきましょう。
Wikipediaでは以下のように売上を定義しています。
売上(英:sales)(あるいは「売上高」とも)とは、企業会計で用いられる用語・概念で、収益の分類のひとつで、当該企業の本業によって得た収益のことである。例えば、本業の商品やサービスによる収益のこと。「売上」は「営業外収益」と区別・対置されうる。
引用先 : 売上(wikipedia)
なかなか難しい説明なので、簿記の試験で出てくる「売上」の使い方を分かりやすく解説しますね。
売上の中でも、
売上高
純売上高
売り上げ
売上げ
などなど。いろいろな使われ方をしますよね。
結論、それぞれの言葉の使い方は、以下の通りです。
- 【売上】 =元帳や仕訳などの勘定科目として使用。
- 【売上高】 =決算書などの財務諸表に正式に使われる言葉。
- 【総売上高】 =値引きや割戻しを控除する前の売上。
- 【純売上高】 =総売上高から値引きや割戻し高を控除した金額。
- 【売り上げ・売上げ】=売上と同じ意味。しかし、勘定科目は漢字だけで表示する。
売上にかかわらず、言葉の使い方を理解しておくことは、問題を解くうえで、とても重要です。
なぜなら、正確に理解していないと、金額の集計範囲が明確になりませんよね。
簿記の試験は、時間との勝負ですので、瞬時に問題文を理解することが大切かと。
メモ
実務では、売上が適切に計上されているか?厳しく監査されます。
21年4月日から新収益認識基準が導入され、売上をいくら計上すべきか?など、売上は非常に重要な論点になっています。
簿記によくでる売上の仕訳
上記では、「売上」の使い方を紹介しました。
それでは、簿記の売上に関する仕訳をみていきましょう。売上の仕訳自体は難しくありません。
ちなみに、以下の仕訳は、三分法が前提です。
そもそも三分法を詳しく知りたい方は、以下のサイトがおススメですよ。
「三分法」は、仕入れ、売上、繰越商品の3つの勘定科目を使った記帳処理方法です。
【例題①】売上取引の一連の流れ
【例題】
豊商店は、A社㈱に商品を100,000円を売上げ、現金で受け取った。
【解答】
(借方) (貸方)
現金 100,000円 / 売上 100,000円
一番簡単な、仕訳ですよね。
実務では、取引金額が大きいので、「売掛金」などの掛け取引をメインにおこなっています。
※掛けとは、例えば、1ヶ月後の月末に支払うなど、一定期間後に支払うことと覚えておきましょう。
【例題】
豊商店は、A社㈱に商品を100,000円を売上げ、代金を掛けとした。
【解答】
(借方) (貸方)
売掛金 100,000円 / 売上 100,000円
掛け取引が行われると一定期間後に現金が入金されますので、以下の仕訳が必要になります。
【例題】
豊商店は、月末に、A社㈱から掛代金100,000円の入金を確認した。
【解答】
(借方) (貸方)
当座預金 100,000円 / 売掛金 100,000円
メモ
実務では、銀行の預金を使用して入金や出金を管理していますので、
現金をそのまま使用することはほとんどありません。
【例題②】売上値引・割戻し・割引
売上値引、売上割戻し、売上割引の3つをそれぞれ確認しましょう。
【売上値引】
豊商店は掛け売上の商品100,000円に、キズがあったため1,000円の値引を依頼され、受け入れた。
(借方) (貸方)
売上 1,000円 / 売掛金 1,000円
みなさんも、商品を購入した時、キズや汚れがあったら、クレームをいれますよね。
そのときに、料金を値下げしてもらえた時に、お店では上記の仕訳を行っています。
【売上割戻し】
豊商店は掛け売上の商品100,000円について、A社㈱が契約に基づき、一定以上の量を購入したため、1,000円を割戻した。
(借方) (貸方)
売上 1,000円 / 売掛金 1,000円
例えば、お店で、大量の商品をまとめて購入すると金額が安くなることがあるますよね。
そんなときに、お店では上記の仕訳を計上しています。
【売上割引】
①12月5日に豊商店は、A社㈱に商品を100,000円を売上げ、代金を掛けとした。なお、代金を7日以内に支払うと5%割引く条件の契約をした。
②12月10日に豊商店は、割引後の代金95,000円を受け取った。
<解答>
①
(借方) (貸方)
売掛金 100,000円 / 売上 100,000円
②
(借方) (貸方)
現金 95,000円 / 売掛金 100,000円
売上割引 5,000円
なぜ、売上割引だけ、「売上」のマイナスせずに、別の勘定を使っているか疑問ですよね。
結論、「売上割引」には、利息の性格があるからです。
具体的にいうと、通常1ヶ月以内に受取とるところを、7日以内に受取っています。
つまり、通常よりお金を早くもらうこと = その分の利息を支払う必要がある。
と覚えておきましょう。
ポイント
- 売上値引=クレームによる売上の戻し
- 売上割戻=大量購入による売上の戻し
- 売上割引=実質、利息だから別の勘定を使う
まとめ
以上、簿記の売上に関する言葉の使い方や仕訳の考え方を紹介しました。
大切なことを繰り返しますと、
売上の言葉の使い方は、
- 【売上】 =元帳や仕訳などの勘定科目として使用。
- 【売上高】 =決算書などの財務諸表に正式に使われる言葉。
- 【総売上高】 =値引きや割戻しを控除する前の売上。
- 【純売上高】 =総売上高から値引きや割戻し高を控除した金額。
- 【売り上げ・売上げ】=売上と同じ意味。しかし、勘定科目は漢字だけで表示する。
売上値引・割戻し・割引の考え方のポイントは、
- 売上値引=クレームによる売上の戻し
- 売上割戻=大量購入による売上の戻し
- 売上割引=実質、利息だから別の勘定を使う
です。
みなさんの簿記の勉強の参考になれば幸いです。