こんな方におすすめ
- 連結決算の実務はどんな感じ?
- 連結決算の実務を経験するメリットは?
- 連結決算の実務のデメリットは?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「連結決算の実務を経験するメリット」をご参考にすれば、みなさんの経理キャリアに役立ちますよ!
なぜなら、連結決算の業務は大変なことも多いですが、メリットもたくさんあります。
メリットを知っていれば、もし大変なことが起こっても心の柔軟材になりますよね。
プライム企業の経理4年目、税理士試験に合格した現役経理マンが紹介します。
記事前半では「連結決算の実務を経験するメリット」について、
後半では「連結決算の実務を経験するデメリット」について解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
そもそも連結決算とは?
そもそも連結決算ってなに?
経理未経験者や、若手経理マンにとって、そもそも連結決算って何なの?
と思われるかたもいるかと。
結論からいうと、連結決算とは、グループ全体の決算のことです。
なぜなら、最近は、会社は1つだけで成り立っているわけでなく、
複数の会社がグループになって動くのが当たり前になってきているので、グループ全体で決算を行う必要があるわけです。
グループ全体で会社の成績を確認したほうが、投資家にとっても分かりやすいですよね。
例えば、
同じグループ会社の中でも、A社は利益100億円、 B社は損失100億円だとして。
A社だけ見ればすごい儲かってそうですが、グループで考えると利益は0円(A社+B社)ですよね。
要するに、「木を見ずに森を見る」ことを重視するわけです。
グループ全体って具体的にどうゆうこと?
例えば、みなさんご存じのソフトバンク。
ソフトバンクは巨大企業で、たくさんのグループ会社があります。
その数は、余裕で100社を超えます。
その中でも有名なのは、ヤフーやワイモバイルなどですね。
何がいいたいかというと、ソフトバンクグループとしての決算では、
ヤフーやワイモバイルなどの成績を含めたうえで、決算を発表しているということ。
例えでいうと、アベンジャーズみたいに、各キャラクターを合体させるイメージ。
この合体する作業を連結決算といいますよ。
連結決算の実務を経験するメリット
連結決算のイメージを抑えたところで、連結決算の実務を経験するメリットを確認しておきましょう。
結論からいうと、連結決算を経験するメリットは以下の3つです。
- 連結決算経験者は、転職市場で需要がある
- 経理としての仕事の全体像が分かる
- 海外への駐在経験を積める可能性が高まる
それぞれのメリットの理由を解説しますね!
【連結決算の実務経験メリット①】連結決算経験者は、転職市場で需要がある
まず1つ目のメリットは、連結決算経験者は、転職市場で需要が高いことです。
なぜなら、連結決算を経験するには、ある程度の経理としての実務経験や知識が必要。
公認会計士などの難関資格保持者の場合を例外として、
経理に未経験で入社した場合には、だいたい5年くらい経理の一般業務の経験を積んでから
連結決算の業務を経験できるのが一般的かと。
それだけ、経理の業務って複雑なわけなんです。
要するに、「連結決算を経験している=経理マンとしてのレベルが高い」と判断され、
転職市場で評価されるというわけです。
もう1つ、連結決算経験者が転職市場での需要が高い理由としては、連結決算のニーズが高まってきているということ。
なぜなら、最近はM&Aやベンチャー企業がIPOを行うなど、超変化のスピードが激しい時代。
今まで連結決算が必要なかったのに、これらの企業再編によって、急に連結決算を行う必要性がある場合も出てきます。
こういったときに、会社に必要になるのが、連結決算経験者です。
整理しますと、連結決算経験者は、
- そもそも経験値や知識レベルが高い
- 社会状況により連結決算のニーズが高まっている
の2点が理由で、転職市場で需要が高くなっていますよ。
【連結決算の実務経験メリット②】経理としての仕事の全体像が分かる
次の連結決算の実務メリットとしてあげられるのが、「経理の仕事の全体像が分かる」です。
そもそも経理の仕事の命題は、決算書を作ることといっても過言ではありません。
経理未経験者や、経験の浅い経理マンは、
普段、
- 固定資産管理
- 支払業務
- 債権債務管理
などの業務を行うことが多いかと。
もちろん、これらの仕事にも楽しさや、やりがいがあると思いますが、
『自分の仕事が最終的にどうなるのか?』
って中々イメージ付きづらいですよね。
この点、連結決算は、会社の決算書を作る最終工程にいるので、最終的に情報がどうなるのかが全て分かります。
したがって、連結決算を経験すれば、川上から川下まで、経理の一連の工程が分かるわけです。
やっぱり、仕事の流れが分かっていたほうが、仕事をしていて楽しいですよね。
加えて、上場企業の場合であれば、その後に投資家への開示を行います。
要するに、自分たちが作った数値が、株価として反映されるので、やりがいもあるかわけです。
整理すると、連結決算実務は、
- 経理の仕事の一連の流れが分かって楽しい
- 上場企業であれば、株価に影響する仕事でやりがいがある
のなど仕事のやりがいに繋がるメリットがありますよ!
【連結決算の実務経験メリット③】海外への駐在経験を積める可能性が高まる
3つ目の連結決算の実務経験メリットは、「海外への駐在経験を積める可能性が高まる」です。
若い人ならとにかく、
『海外経験を積んで自分の市場価格を高めたい!』
と思いますよね。
結論、連結決算の経験を積めば、海外駐在の可能性が高まります。
なぜなら、海外駐在者は、子会社のマネジメントをすることがほとんど。
そもそも会社をマネジメントするには、業績を分析など、数字に強くないと務まりませんよね。
この点、連結決算を経験していれば、会計のプロとして、数字に強いことが武器になります。
さらに、連結決算は普段から海外子会社の数値を見るのが当たり前。
したがって、海外子会社の状況を分かっている人材として、海外駐在の可能性も高まるわけです。
まとめますと、連結決算を担当すれば、
- 数字に強い人間として業績管理に有利
- 事前に赴任先の子会社の状況を把握済み
の2点で海外子会社の駐在可能性が上がりますよ。
連結決算の実務を経験するデメリット
連結決算の実務を経験するメリットは分かったけど、デメリットもあるよね?
もちろん。連結決算業務でのデメリットもあります。
ここからは、連結決算業務のデメリットを解説しますね。
まず、結論からいうと、連結決算業務のデメリットは、以下の3つです。
- 海外子会社との時差が辛い
- 現地スタッフとの連携が難しい
- GWやお盆休みが取れない
それでは具体的に解説していきます!
【連結決算の実務経験デメリット①】海外子会社との時差が辛い
まず1つ目連結決算実務のデメリットは、「海外子会社との時差が辛い」です。
なぜなら、細かい論点のすり合わせのときは、電話などでコンタクトする必要があるから。
会計の細かい論点ってメールだけだと伝わりづらいことがあるんですよね。
とくに金額が大きい案件だと、ミスコミュニケーションで決算を間違えることになりかねません。
もちろん、時差が1〜2時間程の東南アジアの海外子会社なら、許容範囲。
でも、EUやアメリカ、南米など、地球の反対側の地域になると、辛いです。
ブラジルだと12時間くらい時差がありますよね。
さすがに、日本で仕事をしていて毎日昼夜逆転になることはありません。
とはいえ、決算期などは頻繁にコンタクトする必要があるので、深夜や早朝にミーティングすることもしばしば。
なので、決算期は生活リズムが崩れやすく、デメリット要素になります。
時差のデメリットがキツイ方は、
- 国内のみ子会社がある
- 東南アジアのみ海外子会社がある
会社で連結決算を積むのもありですよ。
経理の英語力について気になる方は、以下の記事も参考にしてみて下さいね。
-
経理に英語力って必要?経理マンのリアルな英語力とは?
【連結決算の実務経験デメリット②】現地スタッフとの連携が難しい
2つ目連結決算実務のデメリットは、「現地スタッフとの連携が難しい」です。
そもそも連結決算って、同じグループの会社でやる作業とはいえ、会社単位でみれば別会社。
なので、各子会社によって、
- 会計処理の方法がバラバラ
- 担当者の能力に差がある
など、すんなりいかないことがしばしば。
要するに、期日までに必要な情報をもらうための調整能力が必要になるわけです。
もちろん、どんな仕事でも調整能力は必要に必要なります。
とはいえ、会社単位が違うと、それぞれの会社の利害が対立することもあり、骨がおれることも多いのが事実。
当然、その分、決算が締まったあとのやりがいもありますよ!
【連結決算の実務経験デメリット③】GWやお盆休みが取れない
まず3つ目連結決算実務のデメリットは、「GWやお盆休みが取れない」です。
上場企業のほとんどは3月決算が多いですね。
それを前提にすると、決算発表の期限は
- 8月中旬
- 11月中旬
- 2月中旬
- 5月中旬
と、年4回あります。
つまり、決算発表間際に大型連休があるわけです。
当然、決算発表の仕事の中心にいる連結決算担当者は、この期間休めません。
ということで、世間の大型連休中には、仕事をしなければならないデメリットがありますよ。
もちろん、大型連休中に仕事をした分、振替で休日を取れる会社がほとんどかと。
中には、大型連休前に決算発表をする会社もあるので、
「世間通りに大型連休が欲しい!」
方は、そういった会社で連結決算の経験を積むのもありですね。
以下で経理の繫忙期の記事を解説していますので、参考にしてみて下さい!
-
経理の繁忙期はいつ?どうして経理は忙しいの?
まとめ
以上、連結決算のメリットについて解説しました。
連結決算は、経理の仕事の中でもハイスペックな仕事です。
経理でキャリアを上げるには、必ず経験すべき業務。
実際に連結決算を経験してみて、あまりにもデメリットが多い場合は、転職して他の会社で経験を積むのもありです。
会社によっては、連結決算が必要以上に大変な場合もありますので。
-
得する経理&損する経理!会社によって経理の大変さが違うってホント?
みなさんの経理ライフや転職活動の参考になれば幸いです。