こんな方におすすめ
- フリーランスになったけど、自分は税金をいくら支払えばいい?
- フリーランスはどんな税金を支払う必要があるの?
- フリーランスなるから税金の勉強をしたい!
こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「事業所得に該当する場合の所得税はいくら?」をご参考にすれば、
みんさんの税金の勉強の役に立ちますよ。
プライム企業の経理4年目、税理士試験に合格した現役経理マンが紹介します。
記事前半では「そもそもフリーランスにはどんな税金がかかるか?」について、
後半では「事業所得に該当する場合の所得税はいくら?」について解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
そもそもフリーランスにはどんな税金がかかる?
フリーランスになりたいけど、どんな税金がかかるの?
こらからフリーランスになる人
フリーランスになりたての人
にとって、『税金ってよく分からないし、面倒くさいもの』
っていうイメージがほとんどですよね。
筆者は職業柄、税金に関わりがあるとはいえ、
仮に違う職業をしていたら『税金って面倒くさいものだな』って思うこと間違いなしです。
では、フリーランスに関わりがある税金ってなんなのでしょうか。
結論からいうと、以下の4つです。
フリーランスに関係がある税金
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
- 消費税
いずれも一度は聞いたことはありますよね。
だけど、内容が何なのか?を分かってる方は少数派かと。
ざっくりイメージを持ってもらうには以下のように考えて頂ければいいかと。
- 所得税 = フリーランスの税金の『主役』
- 住民税 = フリーランスの税金の『サブ役』
- 個人事業税 = フリーランスの税金の『サブ役』
- 消費税 = 売上が1,000万円を超えたらケアをする必要あり!
なぜ、所得税が『主役』で、住民税と個人事業税が『サブ役』かというと、以下の関係性があるからです。
- 所得税 = 国税
- 住民税・個人事業税 = 地方税
その名のとおり、国税は『国が主体』、地方税は『道府県民税が主体』になります。
計算する際も、所得税の計算が基礎になって『住民税や個人事業税』が計算されることからも、
所得税が主役とイメージしたい要素でもあります。
メモ
もちろん、どの税金も必ず支払う必要があるので、優劣はありません。
あくまで、イメージの話ですよ。
消費税は、売上高が1,000万円を超えたらケアする必要がある税金になります。
詳しくは、別の記事で解説しますね。
とういうことで、ここからはフリーランスの税金のメインである『所得税』について詳しく解説します!
【フリーランスの税金】事業所得に該当する場合の所得税はいくら?
繰り返しますが、フリーランスの税金の主人公と言えるのは『所得税』。
私の所得税はいくらかかるの?
計算方法を知りたい!
みなさんが一番気になるのは、『自分の所得税がいくらか?』ってことですよね。
では、そのいくらか?を計算するときの計算方法を解説しますね。
メモ
具体的な解説に行く前に、所得税は所得の性質によって所得税の計算方法が変わります。
なぜなら、所得は全部で10種類に分類できるからです。
とはいえ、フリーランスであれば事業所得に該当することがほとんどかと。
ということで、事業所得のみを前提とした所得税の計算方法を解説しますね。
結論からいうと、所得税は以下の3ステップで計算します。
最初に所得税の計算のときに
みなさんが気を付けたいポイントを言ってしまうと、
- 『必要経費はいくらか?』
- 『所得控除に漏れはないか?』
の2つです。
なぜなら、この2つは所得税の『節税効果』を発揮できる要素だからです。
それでは、
早速、各ステップごとに内容を解説していきます!
【フリーランスの税金はいくら?】 ステップ1・事業所得を求める
まずはステップ1の事業所得の計算方法から。
1番最初に出てくる『総収入金額』ってなんだか難しいワードですが、要するにその年の収入のことです。
具体例でいうと
- プログラマーやITエンジニアの方であれば、その年の成果報酬
- コンサルタントであれば、その年のコンサル収入
簡単にいうと、お客さんからもらったお金です。
みなさんも、お客さんと仕事をする上で契約書や請求書を作成するかと思います。
それを計算さすれば、その年の年収を把握することができます。
一方、必要経費とはなんでしょうか。
結論からいうと、お客さんにサービスを提供するためにかかった費用。
例えば、
先程のITエンジニアであれば、通信費や交通費などですね。
もちろん、サービス業に関わらず、
商品を販売する仕事をしている人でも、必要経費はあります。
例えば、
- 自家焙煎点であれば、仕入コーヒー豆(うち使った分)。
- ケーキ屋さんであれば、ケーキを作る為に買った食材(うち使った分)。
ただ、なんでもかんでも経費にできるかというと、
そんなわけではなく、以下のものはNGになっています。
仕事と関係ない個人旅行の費用
仕事と関係ない食事代
要するに、仕事上で発生した費用が前提なわけです。
なぜなら、必要経費をなんでも認めてしまうと、事業所得の金額が小さくなってしまいますよね。
結果、所得税の金額が小さくなり、税金の徴収をすることが難しくなります。
必要経費が認められる要件や詳しい内容は、別の記事で詳しく解説しますね!
事業所得のポイント
『必要経費がいくらになるか?』が事業所得の計算のポイント!
【フリーランスの税金はいくら?】 ステップ2・課税所得を求める
このステップのゴールは、課税所得を算出すること。
では、どうやって課税所得をするかというと、
ステップ1の事業所得から所得控除を引くだけです。
言い換えると、『所得控除がいくらか?』が分かれば、課税所得を算出できるわけです。
では、『具体的に所得控除はなんなのか?』を確認していきましょう。
名前からもわかる通り『所得控除』は、
所得税の計算の基礎である『課税所得』を少なくしてくれるもの。
どうして?所得控除があるの。
国税庁のHPでは以下のように記載があります。
(1) 所得控除の意義及び性質
所得に対する租税は、資産に対する租税と並び、相対的にみて「担税力に即した課税」を行うことができるという優れた性質を有している。そこで、所得税の負担のあり方を考える場合には、「担税力に即した課税」ができるという利点を生かすことが重要となる。引用先 : 所得控除の今日的意義(要約): 国税庁HP
専門的な言葉なのでかみくだくと、
『国民の個々人の事情に配慮する』といういうことが読み取れます。
では、どんなものが所得控除と認められるの?
主には、以下のものがあります。
社会保険料
生命保険料控除
寄付金控除
配偶者控除
基礎控除(48万円)
お気づきの方がいるかもしれませんが、
一律控除される『基礎控除(48万円)』があるので、事業所得が48万円以下、
つまり、事業所得(総収入金額ー必要経費)が48万円以下なら所得税は発生しないです。
48万円以下なら所得税が発生しないということは、
みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
これがその理由になるわけですね。
もちろん、所得控除には他にもあります。
『iDeCo』や『確定拠出型年金』は節税対策や税務上優遇されているとういことも聞いたことがありませんか。
その理由は、iDeCoや確定拠出年金が『所得控除』の対象になるからです。
理由が分かると面白いですよね。
課税所得のポイント
自分に適用できる『所得控除に漏れがないか?』が課税所得の計算のポイント!
【フリーランスの税金はいくら?】ステップ3・所得税を求める
最後のステップでは、ゴールである所得税を計算します。
ポイントは、『所得税』と『復興特別所得税』があること。
計算する順番は所得税⇒復興特別所得税の順で計算しますよ。
まずは、所得税から。
結論からいうと、所得税を計算するときは、国税庁の速算表を見ましょう。
引用先 : 所得税の税率 : 国税庁HP
速算票をみれば、簡単に所得税を計算できることが分かりますよね。
例えば、ステップで計算した課税所得が400百万円であれば、
400万円 × 20% - 427,500円 =372,500円
速算表の『課税される所得金額』の『3,300,000円から6,949,000円まで』にあてはまるからですね。
では、課税所得が700万円だったらいくらでしょう?
計算式は同じ。ぜひ当てはめてみましょう。
700万円 × 〇〇% - 〇〇円
確認できましたか?
正解は、
700万円 × 23% - 636,000円 = 974,000円
理由は、
『課税される所得金額』の『6,945,000円から8,999,000円まで』にあてはまるからですね。
次は、復興所得税です。
計算は、シンプルなので安心してください!
上記で計算した所得税に2.1%をかけるだけ。
上記で解説した課税所得400万円の人の所得税は、372,500円でしたね。
なので、
372,500円 × 2.1% = 7,823円
では、課税所得が700万円の人の復興特別所得税はいくらでしょう?
〇〇 × 〇〇%
そうですね。
974,000円 × 2.1% = 20,454円です。
最後に『所得税』と『復興特別所得税』を合計すると、みなさんが支払う所得税になります。
つまり、
- 課税所得が400万円の人が払う所得税は、372,500円 + 7,823円 = 380,323円
- 課税所得が700万円の人が払う所得税は、974,000円 + 20,454円 = 994,454円
※端数切捨てなどの影響で上記の金額とズレることもあります。
【フリーランスの税金はいくら?】所得税の具体的なシミュレーション
それでは、『最後に実際に所得税がいくらになるか?』を例題といっしょにおさらいします。
【例題】
以下の項目から☓4年の所得に対して支払う所得税を算出せよ。
☓4年のコンサルタント報酬 600百万円
☓4年の必要経費 200百万円
☓4年に支払った社会保険料 100百万円
☓4年にiDeCoに投じた掛け金 30万円
まずは、事業所得がいくらか?を算出しましたね。
したがって、以下の計算から400万円が事業所得とわかります。
総収入金額(報酬)600万円 - 必要経費 200万円 = 400万円
次にSTEP2で、課税所得を算出します。
ポイントである『所得控除』は、
100万円(社会保険料)+30万円(iDeCo) = 130万円
したがって、事業所得(400万円)-所得控除(130万円) = 270万円
ということで、課税所得は270万円です。
最後にSTEP3で所得税の算出。
ここでは、速算表を確認しましたよね。
速算表どおりに計算すると、
所得税は
270万円 × 10% - 97,500円 = 172,500円
復興特別所得税は、
172,500円 × 2.1% = 3,622円
2つ合わせると176,122円になります。
したがって、☓4の所得に対する所得税は、176,122円になるわけです。
まとめ
以上、フリーランスの税金はいくらか?について、所得税を中心に解説しました。
大切なことは、所得税の計算ロジックを理解して、自分が有利になる節税方法を考えること。
事業所得の場合は、
- 他に必要経費になる金額はないか?
- 所得控除に漏れはないか?
を考えることで、節税効果が生まれますよ!